令和2年度 第2回 講演会 産業教育に関する講演会

日時 : 令和2年11月27日(金)  14:00 ~ 15:30
演題 : 「Society5.時代の教育について」
講師 : 大阪工業大学 電子情報システム工学科 教授
     工学博士  小 寺 正 敏 様

講演概要:

 現在我が国では6拠点国立大学、北は北海道大学から東京大学、滋賀大学、京都大学、大阪大学、九州大学に、「数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム」を形成し、データサイエンス教育に関するリテラシーレベルのモデルカリキュラムを整えつつあり、2025年には大学生50万人の全卒業生が、リテラシーレベルでAIを学んでいること、毎年100万人の小中高生がリテラシーレベルを満足する状況になっていることが目標とされ、これらの情報は、現在は大学レベルであるが、いずれ全国民にAI教育をするということで、大学レベルから高等学校レベルへブレイクダウンされ、高校生に適用されると予想されるとのことです。

次の項目について分かり易くご講演いただきました。

  1. 人工知能について(話題)
  2. 機械学習プログラミングについて
  3. AIは何を学ぶのか、人はAIの学びから何を学ぶか
  4. 将来役に立つ学びとは

機械学習(マシンラーニング)について「分類」「回帰」「クラスタリング」「推薦」「次元削減」について次の例を挙げてご説明いただきました。
「分類問題」として• アヤメの分類、• おいしいワインの判定、• タイタニック号からの生還判定を「回帰問題」として• ワインのデータ間の回帰 、• 大阪の10年間の気温から、直近6日間の気温から明日の気温を予測するでありました。
つぎに、機械学習を何に適用するかというとことで「画像解析」「音声解析」「テキスト解析」のご説明がありました。
画像認識として、・人の顔検出、・手書きの文字認識、・生活雑貨画像の認識、・動画認識として 町中に写る動画の解析でした。
「 AIは何を学ぶのか」、「人はAIの学びから何を学ぶか」、「今はまだAIが苦手なこと」「今はまだAIを受け入れにくいこと」「人とAIの違い」「将来役に立つ学びとは」についてのお話しがあり、人は、幼い時からの教育や環境によって抽象的な概念を共通意識としてもち、普段の言葉や行動に現れない、内心で共感し想像しながら抽象度の高い会話をして日々の生活を送る生物である。
そのため、現状のAIは、人が示す現実の行動からその意図を論理的に理解できない。そして、人はそれぞれ異なる背景を持っている。今後は膨大な研究分野からのアプローチによって人とAIのそれぞれの特性を生かすベストマッチに向けたAI開発がなされていくのではないかと期待する。と締めくくられました。

 

20201127講演会