設立の趣旨・沿革・使命

大阪府内の専門高等学校は商・工・農・総合・福祉等の学科を有し、その教育のあり方は直接関西産業界の盛衰に、ひいては日本国家の進運にも影響をもたらすものであります。

昭和9年、わが国実業教育制度が布かれて50周年を機会に、実業教育の振興、特に中等実業学校の内容の充実改善を目的として、大阪府・市当局の大きな期待の下に、この道に深い理解ある有力実業家が発起人となり、公私立中等実業学校長に呼びかけて昭和10年11月1日に設立されました。

実業家・教育者及び教育行政当局の緊密な協力により、実業教育を実際化し、その職務に忠実な知・情・意のバランスのとれた真に役立つ人物の養成にあり、是と信ずる所は直ちに実施するという行き方で着々事業を進めてきました。
特に教育者の見聞を広め、その資質の向上を図るために本会会員が関係工場その他諸施設を開放して見学実習に供し、なお進んで海外視察の機会を提供する等によって多大の効果を収めてきました。
とりわけ、戦後国の復興と発展を願って、経済発展の基盤である産業教育の振興を図るため、関係者の献身的な努力の結果、産業教育振興法が制定されたのは注目すべきことでした。
事後、人的・物的条件が逐次改善・充実し、今日に至っています。
なお、産業教育の実践にあたっては、単に学校教育の狭い枠内でのみ考えることなく、広く社会特に産業界の要望をとり入れ、その協力の下に推進されるべきであると考えています。

設立以来実業家・教育者・教育行政当局のいわゆる三位が一体となって長年産業教育に微力を尽くしてきましたが、更にその使命の重大さを自覚し、産業教育を通じてわが国の経済発展に貢献しうる有為な国民の育成に資するため今後一層の精進をいたしたい。